2018年度夏季合宿研究会報告 森 章司(2018.8.29)

2018.08.29

 8月21日から23日までの2泊3日の日程で、久しぶりに夏季合宿研究会を行いました。いつものとおり中央学術研究所と立正佼成会の施設をお借りし、出席者は森章司、金子芳夫、岩井昌悟、本澤綱夫、石井照彦の5人でした。

 議題は次の通りでした。
    (1)「年表凡例」の最終案について
    (2)「総覧凡例」の最終案について
    (3)「成道以前の仏伝資料集」について
    (4)「『律蔵・受戒犍度』を中心とした仏伝資料集」について
    (5)「『涅槃経』を中心とした釈尊最晩年の事績資料集」について

 「年表」というのは「釈尊および釈尊教団形成史年表」のことですが、「総覧」は今まで「釈尊年齢にそって配列した原始仏教聖典事績別目録」と称していたものです。これには1万になんなんとする全原始仏教聖典の1つ1つの経の概要を掲載しますから「目録」では軽すぎると考えて「釈尊の生涯にそって配列した事績別原始仏教聖典総覧」と改称することにしたものです。
 「年表」は釈尊の伝記と釈尊教団の形成史の目次に相当しますが、「総覧」はその本文に相当するといってよいでしょう。いわば聖典自身に語らせた釈尊伝と釈尊教団形成史ということになります。

 また3つの資料集のうち、「成道以前の仏伝資料集」は「総覧」の成道以前の部分に、「『律蔵・受戒犍度』を中心とした仏伝資料集」は成道から十衆白四羯磨授戒法の制定によって釈尊教団が成立するまでの部分に、「『涅槃経』を中心とした釈尊最晩年の事績資料集」は文字通り「総覧」の最晩年部分に相当します。「資料集」と呼んでいるのは、以前にこれらを独立した資料集として「モノグラフ」に掲載しようと考えていたときの名残りで、今では「総覧」の組方に準じて原稿を作っています。

 「年表凡例」「総覧凡例」は説明の必要はないと思います。「最終案」というのはこの年末には実際にシミュレート版の「年表」「総覧」を作りますのでそのマニュアルになります。

 来年の秋にはこれらの完成版を作り、研究の完成報告会を開く予定です。