仏蹟の取材をしてきました 森 章司

2011.03.24

 「釈尊伝研究会」が企画して、今年の10月中旬から2ヶ月間の予定で、立正佼成会の開祖記念館特別展示室において「お釈迦さまの生涯とゆかりの地」(仮題)という展示を行い、同時に展示の内容を膨らませた小冊子を発行することになっています。そこで2月18日から3月14日までの25日間、インド仏蹟の取材旅行をしてきました。その途中の3月11日に日本は未曾有の大災害にあい、多くのインドの方々からお見舞いと励ましをいただきました。このことをお伝えさせていただきます。

 取材旅行のメンバーは、庭野皓司(開祖記念館館長)、福島一嘉(フリーカメラマン)、島村雅俊(国際伝道本部スタッフ)と森章司で、現地では今までも私 たちの研究に協力してくれていたParijat Tiwariさんが通訳兼ガイドとしてついてくれました。

 日程と取材場所は以下のようなものでした。
2/18 成田発
2/19 マトゥラーにてマトゥラー博物館とヤムナー河を取材ののちアグラへ。Agra泊
2/20 列車でアッラハバードへ。ガンジス河とヤムナー河の合流点を取材。Allahabad泊
2/21 コーサンビーの都城跡とゴーシタ園跡などの仏蹟を取材。Allahabad泊
2/22 アッラハバード市立博物館を取材ののちファイザバードへ。Faizabad泊
2/23 サーケータ(現在のアヨーディヤー)のサラユー河を取材ののちサーヴァッティーに行き、舎衛城跡、アチラヴァティー(現在のラプティ)河を取 材。Sravasti泊
2/24 祇園精舎遺跡、東園鹿子母講堂跡、舎衛城の城壁跡を取材。Sravasti泊
2/25  ピプラーワ、ガンハリア遺跡を取材ののちルンビニーへ。Lumbini泊
2/26 デーヴァダハ村、ラーマグラーマ遺跡、ローヒニー河、ティラウラコート遺跡、ニギリハワのアソーカ石柱、クダーン遺跡を取材。Lumbini泊
2/27 ルンビニー遺跡を取材の後クシナーラーへ。Kushinagar泊
2/28 カクッター川、パーヴァープルの仏塔、チュンダ村跡、涅槃寺、ラーマーバール塔、ヒラヌヤヴァティー川、マータークアル廟を取材。 Kushinagar泊
3/1 サルドプルのガンジス河を取材してバラナシへ。Varanasi泊
3/2 サールナート博物館、鹿野苑遺跡、チャウカンディ塔を取材。Varanasi泊
3/3 ブッダガヤーに行き、ウルヴェーラーを取材。Bodhgaya泊
3/4 ブラフマヨーニ山、前正覚山を取材ののち、王舎城の城壁を取材。Rajgir泊
3/5 霊鷲山、日本山妙法寺の平和塔、竹林精舎跡、王舎新城跡、パーヴァープリーを取材。Patna泊
3/6 ブッダガート、パトナ博物館、パータリプッタ跡、マヘーンドラガート、ガンジス河とガンダック河の合流点を取材。Patna泊
3/7 ヴェーサーリーの宮殿跡、ヴェーサーリー博物館、大林重閣講堂遺跡、仏舎利ストゥーパ、ガンダック河、アンバ村、バグワンプル村を取材。 Patna泊
3/8 ムンゲールへ(途中大渋滞に巻き込まれる)。Munger泊
3/9 ムンゲール市内とガンジス河を取材ののちバーガルプルへ。チャンパー川、チャンパーナガル市内、クーパガートを取材ののち夜行列車でコールカタ へ。車中泊
3/10 コールカタ博物館を取材。Kolkata泊
3/11 ラーマクリシュナミッションを取材ののち、コールカタ市内で昼食のとき東日本大震災のニュースを知る。Kolkata泊
3/12 国内航空でニューデリーへ。Delhi泊
3/13 ニューデリー博物館を取材ののち空港へ。機中泊
3/14 成田着

 この間、庭野館長さんはおおらかな態度でこのチームをまとめて下さり、おかげさまで誰一人として健康を害することなく、楽しく元気に旅を続けることがで きました。福島さんは5,000枚余に上るすばらしい写真を撮ってくださいましたし、島村さんはヴィデオカメラを回してくださると同時に、事前のインド考 古局との折衝から、旅行中の生活万端のお世話をしてくださいました。またTiwariさんはよく気がつく上に、われわれの求めるところを知悉しているから 鬼に金棒で、彼がいなかったら今回の成果は半減したでしょう。皆さんに御礼を申し上げます。
 主要な目的であった展示のための取材がうまくいったのみならず、今まで疑問に思っていたたくさんの課題も解決しましたし、新しい知見も得ました。また現 地の博物館の考古学者の皆さんとの信頼関係をさらに強めることもできました。たいへん有意義な旅でした。
 10月中旬からの展示や小冊子をぜひご期待いただきたいと存じます。