4月定例研究会報告 森 章司

2010.05.11

4月定例研究会として、連休中の5月2日(日)と3日(憲法記念日)に合宿研究会を行い、「時系列にしたがって配列した原始仏教聖典目録」の編集方針を策定しました。


この具体的な編集方針と内容は追々ご報告することにしますが、編集目的は次の通りです。 

(1)この「目録」はこの研究の終了にあたり、この研究を援助して下さった立正佼成会理事長ならびに中央学術研究所所長に、この研究成果を報告するその一環として作成する。 
(2)同時にこの「目録」は、われわれが今までに仮説として提出してきたさまざまな釈尊の事績の年代を検証するためと、この作業によって新たな事績の年代が判明してくることを期待して作成する。報告する「目録」にはもちろんその成果も組み入れることになるが、時間的に完全を期すことはできない。したがってこの「聖典目録」は研究の最終結果ではなく、中間報告というべきものとなる。 
(3)この研究の最終目標は「原始仏教聖典資料による釈尊伝」を書くことにある。したがってこの「目録」は、単に聖典名を羅列したものとするのではなく、その内容記事やその他の情報をも併記する。すなわち「目録」を年代順にたどっていけば、自ずからに「釈尊伝」になることを目指す。

  なおこの目録は、今後は「釈尊年齢にしたがって配列した原始仏教聖典目録」と呼ぶことにしました。この場合の釈尊年齢は出胎を誕生日とする満年齢とし、これに成道後の年数を併記します。
  またこの目録には、われわれがA文献とよんでいるパ・漢のすべての原始仏教聖典を中心にして、これに関連するわれわれがB文献とよんでいる後期の原始仏教聖典、ならびにわれわれがC文献とよんでいる後世に中国あるいは東南アジアにおいて作られた仏伝関係文献を収録することにしました。